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1) 前立腺肥大ってどんな症状?
  →過去1ヶ月間、こんな症状はありませんか?
    ・排尿後に尿が残っている感じがある
    ・排尿後2時間以内にもう一度行かねばならないことがある
    ・排尿途中に尿がとぎれることがある
    ・排尿を我慢するのがつらいことがある
    ・尿の勢いが弱いことがある
    ・排尿開始時にいきむ必要がある
  →このような症状があったら、前立腺肥大症が疑われます。

2) どんな検査?
  @ 直腸内診察
    前立腺は肛門から指を挿入して触診することができます。大きさ、形状、硬さ、圧痛の有無から前立腺肥大症、
    前立腺癌、前立腺炎などを鑑別します。
  A 超音波検査
    腹部又は直腸内から超音波をあてて、前立腺の大きさ、形状、前立腺内部の状態について詳しく調べます。
  B 尿流測定と残尿測定
    おしっこを我慢してもらい、出したくなったら測定用便器に向かっておしっこをすると、出方がグラフになって現れ
    ます。次に膀胱の中に残っている尿量(残尿)を測定します。超音波で測定しますので、痛くありません。
@ 直腸内診察 A 超音波検査 B 尿流測定 残尿測定
3) どんな治療法?
  早いうちなら、お薬で症状を改善できます。しかし、症状が進むと手術が必要な場合もあります。
T 薬物療法 U 手術療法
 
 @ α1ブロッカー

 A 抗アンドロゲン剤

 B 植物製剤

 C 漢方薬

 D 頻尿改善薬
 
 @ 開放性手術
 A 内視鏡手術
    ・経尿道的前立腺切除術(TUR-P)
    ・経尿道的レーザー前立腺切除術(VLAP,TULIP)
    ・経尿道的電気蒸散術(TUVP)
    ・組織内レーナー凝固療法(ILCP)
 B 熱療法
    ・温熱療法(41℃以上)
    ・高温度療法(45℃以上)
 C 保存的治療法
    ・尿道ステント留置術
    ・尿道バルーン拡張術
4) 手術について
  今回は、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)について、説明致します。
  薬物療法を続けても症状がとれず、日常生活に支障がある場合、また、残尿が多く、腎臓にも影響が及んでいる
  場合、手術をお勧めします。
  この手術法は、経尿道的に内視鏡を用いて肥大した前立腺組織を削り取る方法です。
  当院での一症例をお示しします。
   左が手術前、右が手術後のエコー(矢状断)です。       上段が手術前、下段が手術後の排尿曲線です。
    
  前立腺組織が削れて、排尿が良好になったのがお解りいただけると思います。
  術後、硬膜外麻酔による持続麻酔のため、痛みはほとんどありません。

  当院でのこの手術の流れは…
 月曜日 → 午前 中入院、午後 手術。術後カテーテル(管)を留置し、一晩牽引。
 火曜日 → 朝 牽引解除。歩行・食事開始。
 水曜日 → 朝 カテーテル抜去。自排尿開始。
 木または金曜日 → 午後 残尿測定。異常がなければ夕刻退院。
    と、このような過程で行っています。
  詳しくは、ご遠慮なく当院泌尿器科外来にお間い合わせ下さい。